もう一度原点に戻って
稲盛和夫さんの「実学」は文庫本になっているのですね
大学のゼミの教科書として使っていたのを思い出しました
ゼミでは「管理会計」という分野の勉強をしていました
当時は山一證券 北海道拓殖銀行 三田工業といった
大企業が倒産した時代でした
大きな要因は粉飾決算を続けていて
粉飾しきれなくなって・・・
またトヨタ式経営とか京セラのアメーバ経営が
経営方針の二大巨頭になっていたように覚えています
またキャッシュフローという言葉が出てきたころでもあります
今経営者の立場になって思うことは
経営は決して簡単ではない
しかし面白さもある
企業にとって最大の目標は利益
しかし利益がでていても存続のが保証はない
企業の存続しつづけるには資金が必要
では資金はどのように発生するのか
企業に資金がなければ融資を受ける
赤字経営でも融資を受けられるのなら存続は可能
しかし返済するには資金計画の改善が必要
そう考えると資金は利益から捻出するのが
最も効率的で無駄がない
そのためには売上は現金で回収して
真の売上と解するべき
回収までにいかに資金支出を抑えるかが鍵となる
無借金経営で知られる京セラの稲盛さんは
「実学」のなかでバナナの叩き売りの話を例にして
自らの意見を述べている
まず青果市場でバナナを一箱仕入れる
駅前で叩き売りをしようと手近の八百屋に行って
「リンゴ箱を一つ分けてくれ」と言い
空いたりんご箱を三百円で買う
りんご箱の上にかける大きな布も要るので
隣の雑貨屋で一枚千円で買う
棒がないと叩き売りにならないので
二百円で手に入れる
こうして商売の道具を一式そろえる
バナナは一房五十円で二十房を仕入れた
それを百五十円で売ることにする
一房売れば百円儲かるわけだ
そこで日が暮れるまでに幸い全部売れたとしよう
売上が三千円あって仕入れた原価は千円だから
儲けは二千円あるはずである
ところが勘定してみるとお金はそんなにない
リンゴ箱に三百円布に千円棒きれに二百円と
道具に千五百円払っているので
手元には五百円しか残らないわけだ
税務署は「あなたは二千円儲かったから
その半分の千円を税金として払え」と
利益は出ているのにお金がないという現象を
わかりやいバナナの叩き売りを例に説明しているのだが
経営者にとってすでに使ってしまったお金が
会計上は費用になるのか資産になるのか
気にしていなくてはならないようでは
経営はきわめて難しいものになるわけで
それよりも手元に資金があるかないのか
それにより新たな投資が可能なのかどうかを
判断できる「キャッシュベースの経営」を
基本とすべきであるとも述べている
稲盛さんは
『キャッシュベースの経営とは
儲かったお金がどこにどのように存在するのかを
明確に把握するのが経営の基本であり
それはリアルタイムにで把握できなければならず
帳簿上の利益ではなく現実に手元にある資金に基づき
経営をしていくべきである』と述べている
資金は利益によりもたらされ
利益は売上からもたらされるというのは事実だが
売上が利益をもたらし
利益が資をもたらすという保証はない
これが経営者にとって一番難しく
腕の見せ所なのかもしれないですね
実践をしながらも勉強をし続けなければならないなと
改めて思います
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