便利さの代償 ― 個人輸入のメリットとリスク
昨日、サントリーの新浪剛史会長が**「個人輸入したサプリメント」に絡み警察の捜査を受け、辞任**するという大きなニュースがありました。海外では合法でも、日本の法律では禁止されている成分が含まれていた可能性があると報じられています。
これは決して一部の経営者だけの話ではなく、私たち一般の消費者にとっても身近なリスクなのです。
個人輸入とは?
「個人輸入」とは、海外から自分自身の使用を目的に商品を取り寄せることです。
アマゾンや海外の通販サイトからサプリメントや化粧品を買った経験のある方もいるかもしれません。
・法律上の位置づけ
→ 他人に販売・譲渡しない限り原則自由。ただし医薬品や化粧品などは数量や成分に厳しい制限があります。
→ たとえば医薬品は1か月分までなら手続き不要ですが、それ以上は厚生労働省に「輸入確認証(薬監証明)」の申請が必要です。
個人輸入のメリット
1.日本未発売の商品を入手できる
最新のサプリメントや化粧品、健康食品など、国内では手に入らない商品を試せます。
2.価格が安い場合がある
関税や送料を含めても、日本で買うより割安になるケースがあります。
3.選択肢の広さ
海外市場の豊富な商品ラインナップを自由に選べる。
個人輸入のデメリット・危険性
1.違法成分のリスク
海外では合法でも、日本では禁止されている成分(例:THCを含むCBD製品や一部医薬品)が混入していることがあります。知らずに輸入しても「違法輸入」とされ、刑事罰の対象になることも。
2.品質・安全性の保証がない
国内で承認されていない医薬品やサプリは、安全性や副作用のデータが十分でない場合があります。最悪、健康被害につながります。
3.税関で没収される可能性
輸入時に税関で止められ、廃棄や没収となるケースも多くあります。返金もされません。
4.トラブル時の救済が難しい
海外事業者とのやり取りは言語・法律の壁があり、返品や補償を求めるのは困難です。
新浪会長の件から学べること
・「知らなかった」では済まないのが法律。
・海外の常識と日本の規制には大きな差がある。
・地位や肩書きに関係なく、一般消費者も同じリスクを負う。
安全に利用するためのポイント
・厚生労働省や税関の公式サイトで事前にルールを確認する。
・医薬品やサプリは国内で認可されたものを選ぶ。
・「安い」「ここでしか買えない」に安易に飛びつかない。
・不安があれば専門家(行政書士・薬剤師など)に相談する。
✅ まとめ
個人輸入は便利で魅力的ですが、法律違反や健康被害などのリスクも大きいのが現実です。
「自分の身は自分で守る」意識を持ち、正しい知識のもとで利用することが大切です。
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