【契約書のルール】印紙・印鑑証明書・印鑑・形式・法律の基本を解説
本日は、「契約書のルール」について詳しくお伝えします。
契約書を交わす場面は、個人間・法人間問わずさまざまありますが、意外と知られていないルールや注意点が多くあります。
今回は以下の5つのポイントを中心に、契約書作成時に知っておくべき基本ルールを解説します。
1. 契約書に印紙は必要?
結論から言えば、契約の種類によって印紙が必要かどうかが決まります。
たとえば、各契約書の印紙税の有無や金額の目安は以下の通り。
不動産売買契約書:印紙税必要 数千円〜数万円
金銭消費貸借契約書(借用書):印紙税必要 200円〜
業務委託契約書:印紙税必要な場合あり 200円〜
雇用契約書:印紙税原則不要
印紙を貼らなければ契約が無効になるわけではありませんが、税務署の調査が入ると過怠税(最大で本来の印紙税額の3倍)を支払うことになります。
印紙税が気になる方は、電子契約(クラウドサインなど)を活用する方法もあります。電子契約は印紙税が非課税扱いとなっています。
2. 契約書に印鑑証明書は要るのか?
通常の民間契約では印鑑証明書の添付は必須ではありません。
しかし以下のようなケースでは、印鑑証明書の提出を求められることが多くなります:
・不動産売買契約
・高額な金銭消費貸借契約(借用書)
・会社間の合併契約・重要な業務委託契約
・裁判所や公的機関への提出を見越した契約
つまり、「後でトラブルになりやすい契約」ほど印鑑証明書を付けておくと安心です。
3. 印鑑は実印でないとダメ?
契約は原則として署名(または記名押印)で成立します。つまり、ハンコを押さなくても、署名さえしていれば有効です。
とはいえ、実務上は以下のように使い分けるのが一般的です。
印鑑の種類と使う場面、特徴は以下の通り。
実印:不動産取引・公的契約 登録証明書とセットで使う
認印:日常の契約・覚書など 手軽だが効力は弱め
電子印鑑:電子契約・社内文書 税法・証拠能力に注意
※ちなみに、シャチハタ(インク浸透印)は正式な契約には向きません。契約書の場では避けるのが無難です。
4. 契約書の形式(紙・PDF・電子契約)
契約の形式も近年大きく変わってきました。
各形式の法的効力とメリット・デメリットは以下の通りです。
紙の契約書:法的効力あり
昔ながらで信頼性あり。印紙税が必要な場合も。
PDF(メール送付):法的効力あり(原則として)
保存・印刷が可能。印紙税の対象になることも。
電子契約(クラウドサインなど):法的効力あり
印紙不要・印影不要・管理が楽
→ 法的にはどの形式でも契約は成立しますが、「証拠能力の強さ」や「トラブル時の立証のしやすさ」に差が出ることがあります。
特に不動産や金銭のやりとりがある契約は、形式だけでなく、署名方法や保管方法にも注意が必要です。
5. 契約書と法律の関係(民法との整合性)
契約書は単なる紙ではなく、「民法に基づいて双方の意思を明文化したもの」です。
民法では「契約自由の原則」がありますが、
✅ 内容が公序良俗に反しないこと
✅ 当事者が意思をもって合意していること
✅ 一方的に不利な内容ではないこと
などの条件を満たしている必要があります。
また、契約書に何も書かれていない場合、民法の規定が補充的に適用されるため、曖昧なままにしておくと後から不利益になるケースもあります。
✅まとめ:契約書は“ルールを知る人”が有利になる!
契約書は「交わすこと」が目的ではなく、
「将来トラブルが起こったときの証拠」としての機能が大切です。
契約書を作成するときは、
・印紙が必要かを確認
・実印か認印かを判断
・形式は紙か電子かを選択
・内容が民法に沿っているかを意識
これらを踏まえて作成・保管することが、リスクを避ける第一歩になります。
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