具体的な生活事例+制度解説+行政書士・FPとしてのアドバイスを加えた、 高品質なブログ記事として執筆
今日は、空き家の相続について。
「親の家を相続したけど、今は住まないし、そのままにしてある」
「固定資産税も大したことないし、いずれ考えようと思ってる」
…こんなふうに思っている方、いませんか?
実はその空き家、何もせずに放っておくことで、将来“数百万円単位の損失”になることがあるのです。
今回は、具体的な生活事例を交えながら、
空き家に関する法律・制度、そしてどう対処すべきかを分かりやすく解説します。
▼ 事例:父の家を相続したが、10年放置した結果…
Aさん(50代・会社員)のケースです。
・10年前に父親が亡くなり、実家を相続
・自分は都内にマイホームを所有しており、実家には誰も住まなくなった
・「売るのも面倒だし、いつか子どもが使うかもしれない」と考えて放置
・固定資産税だけは支払っていた
ところが数年後、市役所から「特定空家に該当する可能性あり」と通知が届く。
調査の結果、
・屋根の一部が崩れかけており、近隣住民から苦情
・雑草や木が道路にはみ出している
・害虫の発生源になっている
という状況で、**「特定空家」に正式に指定されてしまいました。
その結果:
・固定資産税の優遇が解除され、税額が一気に約6倍に
・解体命令 → 解体費用見積もり:約150万円
・その後の土地売却も、管理不備が理由で価値が下がり想定価格の6割に
つまり、「何もしなかった10年」で、合計300万円以上の損になってしまったのです。
▼ 制度解説:空き家に関する法律と“特定空家”とは?
✅ 空き家等対策特別措置法(2015年施行)
この法律では、管理が不十分で「倒壊の恐れがある」「衛生上有害」「景観を損ねる」ような家を、
**「特定空家」**として市町村が指定できるようになりました。
✅ 特定空家に指定されると?
固定資産税の住宅用地特例(1/6減税)が解除
解体・修繕命令が出される場合もある
応じなければ、**行政代執行(強制解体)**され、費用が請求される
また、不動産価値が大きく下がるため、売却が困難になることも多く、まさに「負動産」状態になります。
▼ 放置される原因:「手続きの複雑さ」と「心の問題」
空き家が放置される大きな理由は以下の2つです:
● 相続登記がされていない(名義が亡くなった親のまま)
・「手続きが面倒」「費用がかかる」「誰が相続するか決まっていない」
・しかし、相続登記をしないと売却も解体も何もできない
→ ★2024年4月から**相続登記が義務化され、3年以内にしないと過料(10万円以下)**の対象になります。
● 「思い出の家なので壊せない」「将来使うかも」の心理的ブロック
・住む予定がなくても、感情的に処分できない人は多い
・でも、その間にも老朽化・価値の下落は進み、管理費用が増える
▼ 行政書士・FPとしてのアドバイス
✅ 1. 相続登記をまず済ませましょう
相続登記をしていない家は、「使うことも、売ることも、貸すことも」できません。
司法書士と連携し、必要書類を揃え、早めに登記を完了させましょう。
※行政書士は、遺産分割協議書などの作成支援が可能です。
✅ 2. 固定資産税の通知書をチェック!
市町村によっては、**「管理不全空家」**という予備軍ランクを通知してくる場合もあります。
こうした通知が来たら、すぐに専門家に相談を。
✅ 3. 費用が心配なら「空き家解体支援補助金」が使えるかも
多くの自治体では、老朽空き家の解体に対して30〜100万円の補助金制度があります。
条件はありますが、行政書士に相談すれば、書類作成・申請代行も可能です。
✅ 4. 空き家の活用方法を検討する
・売却(現状のまま or 更地にして)
・賃貸(古民家として貸し出す事例も増加中)
・一時利用(週末住宅、DIYスペースなど)
FPとして、税金・将来の費用・利回りなどを含めて判断することをおすすめします。
▼ まとめ:空き家は“資産”にも“負債”にもなる
かつて「家を持つこと」は資産を持つことでした。
でも、今の時代は、「家を持ち続けること」がリスクになるケースもあります。
相続した空き家を放置している方。
もしくは、親の家をどうするか悩んでいる方。
「まだ住まないから、何もしなくていい」は最悪の選択かもしれません。
✅ 今すぐできることチェックリスト
☑ 相続登記は済んでいるか?
☑ 固定資産税は誰が払っているか?
☑ 建物の老朽化は進んでいないか?
☑ 空き家対策について、家族と話し合ったことはあるか?
☑ 行政の補助制度を調べたことはあるか?
最後までお読みいただきありがとうございます。
不動産や相続、手続きや補助金について不安があれば、
まずは行政書士・FPなどの専門家にご相談ください。
「知らなかった」では済まされないことも、“今知れば”間に合います。
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