来年以降に変更がある行政手続きについて

来年以降(2025年~2026年)にかけて、私たちの暮らしやビジネスに関わる「行政手続き」において、変更・複雑化しそうなポイントがいくつか出てきています。今回は「どこが変わるのか/何が難しくなるのか/どう対処すれば良いのか」を、なるべく平易に整理してお伝えします。そして、「手続きを自分でできるか/それとも専門家(行政書士)に頼んだ方がいいか」についても触れます。


1.主な変更ポイント

いくつか「来年に変わる」あるいは「段階的に変わる」手続きをピックアップします。

(1) 外国人在留・ビザ関連の手続き

例えば、

・出入国在留管理庁の「在留資格変更/在留期間更新」等の手数料が引き上げられます。2025年4月1日以降、変更・更新では従来4,000円→6,000円(オンライン申請時5,500円)など。永住許可申請では8,000円→10,000円へ。

・また、在留資格「経営・管理」の許可基準も改正され、2025年10月16日から新基準が適用されます。例として「日本人等の常勤職員を1人以上雇用すること」など。

・外国人材受入れ制度(特定技能制度)について、2025年4月1日から受入れ企業側の義務・対応が強化されます。

なぜ変わる?

外国人の受入れが増え制度が複雑化してきたこと、また手続きコスト・審査内容の見直しも背景にあります。

対処ポイント

・手続きに必要な費用を「値上げされる前/後」で確認しておく。

・新基準が出る予定のものは「改正後」適用時期を確認しておく(例:10月16日以降の申請から新基準)→早めの申請も検討。

・企業・受入れ側なら、手続きだけでなくその後の対応(雇用・支援・地域連携)も求められるようなので、準備を前倒しで。


(2) パスポート・旅券関連手続き

在中国日本国大使館など在外公館からの案内では、2025年3月24日以降に発給される「2025年旅券」が仕様変更され、申請から交付までの所要日数が最短でも2〜3週間程度になる見込みとされています。

なぜ変わる?

偽造防止強化(写真・氏名ページの素材変更)及び国際的な旅券制度との整合性確保の観点。

対処ポイント

・海外出張、旅行の予定がある人は、パスポートの有効期限を早めにチェック。特に「残存有効期間1年未満」等なら切替を検討。

・使用タイミングを考えて「交付までの日数が延びる」ことを見込んで申請を行う。


(3) マイナンバー制度・電子化・行政手続きのデジタル化

・マイナンバー法等の一部改正法が施行され、海外在住者にもマイナンバーカードが使えるようになるなど、利便性向上の動きがあります。

・基本法(デジタル社会の構築)等の一部を改正する法律(いわゆるデジタル社会基本法改正)も成立済みで、行政手続き・データベース整備・オンライン申請の体制強化が進んでいます。

なぜ変わる?

行政コストの削減、国民・企業からの「もっと簡単に/オンラインで」のニーズ、災害・パンデミック等のリスク対応も背景。

対処ポイント

・書面提出だけでなくオンライン申請の有無・準備状況をチェック。

・マイナンバーカードの利用・更新・暗証番号管理など、自分のID管理を見直しておく。

・オンライン手続きに慣れていない人・高齢者などは、事前に利用方法を確認しておく。


(4) 行政書士関連の制度変更

行政書士法改正法が2025年6月6日に成立し、2026年1月1日から施行予定です。職務範囲・報酬規制・デジタル対応などが明確化されます。

なぜ変わる?

デジタル化進展・専門家の責任明確化・公正な料金体系確保のため。

対処ポイント

・手続きを依頼する際、「何を依頼できるか/報酬はどうか/契約書を交わしているか」などを確認。

・自分で手続きするときと依頼するときのコスト・リスク・手間を整理。


2.「複雑化した/注意すべき」点

変更が進む中で、特に注意したほうが良いポイントを挙げます。

手数料・費用の増加:例えば在留関連で「4,000円→6,000円」など。申請時期を誤ると旧料金が使えないケースもあります。

申請基準の厳格化:特に在留資格「経営・管理」など、雇用義務等が新たに明記されるなど、準備が必要です。

オンライン化・制度変更に伴う手続きの流れの変化:例えばパスポート交付が郵送・日本国内で再作成となることで時間がかかるようになります。

制度間の連携・データ管理強化:マイナンバー制度や行政のデータベース整備が進むことで、「提出書類の種類」「添付資料」の見直しが出てきます。

専門家制度(行政書士など)の役割・範囲の再定義:依頼先の選び方・契約内容・報酬設定などが以前より「明確に」問われるようになります。


3.どう対処すればいいか(実務的なアドバイス)

誰でも取り組める「準備/行動ポイント」を挙げます。

1.対象になる手続きをリストアップしておく

 自分や会社で行っている手続き(在留・パスポート・マイナンバー・許認可など)を洗い出し、「何が、いつから、どのように変わるか」を確認。

2.変更の適用時期を確認する

 - 2025年4月1日から適用のもの(在留手続き手数料など)

 - 2025年10月16日からの許可基準変更(経営・管理)

 - 2026年1月1日からの行政書士法改正適用

3.早めの申請を検討する

 「手数料が増える前に」「旧基準が適用されるうちに」申請できるものは前倒しで申請するメリットがあります。

4.資料・添付書類を整備しておく

 新基準では「雇用義務」「定員要件」「支援体制」などが厳しくなるものも。例えば在留資格関連なら雇用契約・給与明細・法人登記簿謄本などの準備。

5.オンライン申請・デジタル手続きへの適応

 オンライン申請が可能/義務化されるパターンが増えています。マイナンバーカード、電子証明書、パスワード管理など、デジタル環境も整えておきましょう。

6.専門家への相談・依頼検討

 複雑な手続き、基準改正が絡むもの、企業の法務・人事に関わるものについては、専門家(行政書士)に早めに相談・依頼することで「抜け漏れ防止」「最新情報の確保」「手続きミスによるリスク軽減」が期待できます。


4.行政書士を利用すべきか?そのメリット・デメリット

手続きの自力対応 vs 行政書士に依頼、どちらが良いかを整理します。

メリット(行政書士を利用する場合)

・最新の法改正・基準変更の情報を持っていることが多い。

・手続き書類の作成・添付資料のチェック・申請代理等を任せられるので、手間やミスが減る。

・特に「外国人の在留手続き」「許認可の申請」「基準の厳格化した手続き」など、複雑なものにおいて安心感がある。

・時間や手間を節約できる。


デメリット・留意点

・当然ながら費用(報酬)がかかる。依頼しない方がコストが低く済むケースも。

・依頼先の行政書士が「今後の改正・適用時期などを把握しているか」を確認する必要。改正直前・変更直後は情報が流動的なので、信頼性ある事務所を選びたい。

・自分で書類を準備・提出できるレベルなら、費用を抑えて自力対応も十分可能。


判断のポイント

・手続きの「対象・影響範囲」が大きいか?(例:企業の外国人受入れ/永住許可/許認可)

・手続き基準・申請要件が「今回変わるか・これまでと違って複雑化するか」確認。

・自分(または社内)で書類準備・申請をスムーズにできる体制(時間・知識・経験)があるか。

→ 上記「はい」であれば自力でもいいですが、「いいえ」なら行政書士利用を検討。特に“改正直後”や“要件が厳しくなった”手続きでは安心料として専門家を使う価値があります。


5.まとめ

来年以降の行政手続きは、「手数料の上昇」「オンライン化・デジタル化」「許可基準の見直し」「専門家制度の改正」などがポイントです。これまで通り「書類出せばOK」という時代から、一歩対応が進んだ準備が必要になります。

したがって、

・自分や会社で関係する手続きをリスト化・時期を把握し、

・早めの申請・資料準備を行い、

・オンライン・デジタル対応の準備も進め、

・必要なら専門家(行政書士)に相談/依頼する

という流れが賢いやり方と言えます。

喜多行政書士事務所

香川県の西の端 観音寺市の行政書士事務所です 許認可申請 書類作成 各種手続などの基本業務のほか FPとして資産設計提案業務もしております 困った顔が笑顔になり大きな喜びとなるようにをモットーに 小さい事務所ではありますが日々研鑽しながら頑張ってます どうぞお気軽にご問い合わせください

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